キックの選択基準をチームで持とう
ラグビーでキックを使う一番のメリットは、相手と接触することなく、もっとも手っ取り早くボールを前に進められること。
キックパスやハイパントなどのコンテストキックを除き、相手にボールを渡すことになっても、陣形を整えてチェイスするやり方だったり、蹴り合いになった時の対処方法を持っておけば、陣地を高い確率で前に進めることができます。
その際、キックを使って効果的に陣地を進めるためには、プレー選択を迷わないようにチーム全員で選択基準を持つことが大切です。
その際、基本のキックの蹴り合いで考えた場合、グラウンドを3分割にして考えると、プレーの選択を判断しやすくなります。
例えば、グラウンドの両端から内側10mまでの区域をA、内側10mから20mまでの間をB、中央の30mというように区分します。
A区域のスクラムであれば、15mライン付近にポイントを作ってから蹴る。B区域ののスクラムでは、中央のC区域あたりにポイントを作ってキック。
C区域は蹴りやすい角度で蹴ることができるので、ポイントを作らずに直接キックというように、基準を持つようにします。
その結果、プレー選択をチームで共有できるようになり、効果的にキックを使って陣地を前に進めれるようになります。
陣地を支配できるようになれば、自分たちが得点する可能性が高くなり、失点するリスクも減らせるので、精神的にも優位に立つことができます。
逆に、パスとランしかうまく使うことができなければ、相手ディフェンスは的を絞りやすくなり、力が上回る相手に競い勝つには難しくなるでしょう。
このように有利な展開に持ち込むためには、個々のキックスキルを磨きチームとしてのキック戦術を持っことは、厳しい接戦を制するうえで、現代ラグビーには欠かせない要素と言えます。